「県に対策会議設置−環境ホルモンで調査研究」





〜沖縄タイムス1998/06/27朝刊・社会〜

 人や野生生物の生殖機能を阻害するなどの影響が指摘されている環境ホルモン(内分泌かく乱化学物質)の対応について、県は庁内関係課などで構成する「県環境ホルモン等対策連絡会議」を設置したことを26日、明らかにした。県議会6月定例会で当山全弘議員(社大)の代表質問に、県文化環境部の大城貴代子部長が答えた。
 連絡会議は環境ホルモンの情報交換と調査・研究の在り方を協議する。総務部、文化環境部、福祉保健部、教育長など6部1庁の1室13課と衛生環境研究所で構成し、今月22日に発足。連絡会議下のワーキングチームが6月定例会明けに具体的な検討に入る予定となっている。
 また同ホルモン関連で乳幼児や学童が使用する食器の重点調査について、福祉保健部の平良健康部長は国の対応方針を待つ一方で「食品衛生法の企画基準に沿った試験、検査を実施し、基準値をオーバーする製品については回収命令を出す」と答えた。
 環境ホルモンについてはごみ焼却施設から多くが発生すると指摘されるダイオキシンのほか、ポリカーボネイト樹脂製の食器類から溶け出すと心配されるビスフェノールAなどが急速に問題化している。
 そのため厚生省は人の健康影響を調査する研究班を昨年発足させたほか、環境庁も今年5月に環境ホルモン緊急全国一斉調査を含む対応方針を示した。
 県兄では那覇市が学校給食で使用されているポリカーボネイト樹脂製品を取り替える方針を市議会6月定例会で示している。

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