「めん容器から食品に−環境ホルモンで熱湯実験」





〜沖縄タイムス1998/06/30朝刊・社会〜

 ポリスチレン製のカップめん容器中に含まれ、環境庁などが内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)の疑いがあると指摘しているスチレントリマーが、熱湯を注ぐことでめんやスープに移行するとの実験結果を、河村洋子・国立医薬品食品衛生研究所室長らがまとめ、29日、東京の国連大で開かれた環境ホルモン問題の国際シンポジウムで発表した。
 河村室長らは、カップめんの容器からスチレントリマーなどが溶け出したとするデータを既に発表しているが、日本即席食品工業協会は新聞広告で「用材で強制溶出させてデータであり、熱湯には溶け出さない」と反論していた。この日の発表では、通常の調理とほぼ同じ条件で食品から検出されたことになる。
 実験に使ったのは、市販されている4種類の中華めんと、うどん、そば各一種類ずつ。熱湯を注いで30分放置した後、めんとスープに含まれるスチレントリマーと、同様に環境ホルモンの疑いが指摘されているスチレンダイマーを分析した。
 ダイマーはいずれからも検出されなかったが、トリマーは中華めんの4種類中3種類に62〜65ppb(1ppdは10億分の1)、うどんに46ppb、そばに12ppbが含まれていた。

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