「ごみ問題で行政追及/初の子ども議会/大人顔負けの質問/竹富町 」



〜沖縄タイムス1998/07/25朝刊〜

【竹富】「空き瓶、空き缶、ペットボトルの回収をしたいが島内に引き取ってくれる業者がいない」「海岸、道路のごみが目立つ。大自然・文化 の町に似合わない」―。

竹富町は町制五十周年を記念して21日、初めての子ども議会(新田耕作議長=竹富中三年)を開催し、町内の中学校10校から選ばれた18人の議員が一般質問で大人顔負けの鋭い質問を町当局にぶつけた。

議員≠スちが最も多く質問したのはごみ問題。6人が分別、リサイクル、ダイオキシン汚染、ごみ捨て場の悪臭、ポイ捨て問題など多岐にわたって行政の姿勢をただした。
 当局は有害物質の調査を急ぐこと、将来は西表島に最終処分場を造りたいなどと答えた。ポイ捨てについては、啓もうしても変わらないようなら条例を検討する考えを示した。

 日常生活、学校に密着した質問も多かった。高江洲成哲君(大原中二年)は「石垣に行くには船しかなくお金がかかる。船賃の値下げができないか」などと注文した。
 家本諒輔君(鳩間中三年)の「竹富町で唯一、学校に体育館がない」との訴えには、教育委員会から「平成13(2001)年度に造りたい」と答弁があった。
 富本詩野さん(竹富中三年)は、夜道を明るくし星空も見やすいようにと、竹富島に太陽熱や風力を利用した「フットライト」の設置を提案。大仲康文教育長は「電線の地下埋設計画の中で考えたい」と答弁した。

 土地改良について西波照間善光君(波照間中三年)は赤土流出対策とともに「若者が減っている中で土地改良が必要か」とただした。西島本進町長は土地改良の目的を説明した上で「整備して農作業を機械化できれば老人も働ける」と理解を求めた。

 最後に「二十一世紀を力強く歩む日本最南端の大自然と文化の町づくり宣言決議」を全会一致で議決。「お互いの島の持つよさを認め合いながら、いじめのない楽しく明るい学校、活力にあふれた地域社会を目指す」と次代を担う決意を示した。
 子ども議会は地方自治法などに従い議長の選出から本物の議会と同じように運営され、新田議長、新城優子副議長(大原中三年)の堂々とした議事運営に傍聴した引率教員や本物の議員たちもびっくり。地域への愛情にあふれる質問は、傍聴人や答弁に当たった町当局側を感心させた。

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