「有害物質の調査実施−ごみ焼却場など対象に(具志川市)」



〜沖縄タイムス1998/12/08朝刊〜

 ダイオキシンなどの有書物質を調べる環境調査のための資料採取が3日、具志川市栄野比にあるごみ焼却場と最終処分場で、市民立ち会いで行われた。

 調査は市環境保全課が実施。処分場からの浸出水が流れ込んでいる天願川の水を4地点で採取。そのうちの1地点で底質(川底の泥)を採集した。後日、最終処分場や河原をボーリングして地下水の調査も行うことにしている。調査結果は重金属類など一般的な項目については今月中にも、ダイオキシンについては来年2月中には明らかになり、一般にも公開される予定。

 ごみ問題に取り組んでいる市民団体「中部北ごみ問題を考える連絡会」の働き掛けで、今回の市民の立ち会いが実現。メンバーの伊波義安さんは「試料採取に市民が立ち会うのは全国的にも珍しいのではないか」と評価する一方、「有書物質が蓄積されやすい処分場からの浸出水のため池や川の底の泥の調査などを要望してきたが、結局調査されるのは一カ所だけ」と、不満も残った。

 この日は、専門の業者が丁寧に川の水を採取する様子を、市職員や同連絡会員、周辺住民など十数人が見守った。日ごろ見ることのない調査に市民は、調査員に「ダイオキシンは水に溶ける量が少ないため、大量の水を取って調べる」などと説明してもらいながら、興味深げに見入っていた。

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