「ダイオキシン規制で焼却炉売れず−仙台の企業−」
環境貢献したのに破産
 豆腐製造に伴ってできるおからなど生ゴミ用の焼却炉を製造・販売していたベンチャー企業の「アール・びー」(本社・仙台市若林区、高橋雅樹社長)は27日、仙台地裁に自己破産を申請した。申請代理人によると、負債額は約12億7,700万円。焼却炉から発生するダイオキシンが社会問題化した影響で販売が急減、資金繰りが行き詰まったという。高橋社長は「処分が難しいおからを焼却できるようにしたことで、ゴミを減らし、環境に貢献できると考えていたのに......」と、無念そうだった。

 同社は1987年12月に設立された。県や東北大学などと協力し、「高含水有機物焼却装置」を開発。1996年3月には、東北で初めて新規事業法の適用認定を受けるなど、「環境問題に取り組む企業」として注目された。昨年3月期の売り上げは約7億5,800万円だった。
 ところが昨年8月、焼却炉の排ガス中のダイオキシン濃度や焼却炉に使う集塵機の高濃度化などが、厚生省令で規制された。高橋社長は「濃度規制は達成できたが、機械の高度化で価格が上がり、まったく売れなくなった。焼却炉メーカーはどこも苦しんでいる」と話している。

〜朝日新聞1998/02/28朝刊〜

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