「土壌から汚染物質375件」

環境庁全国調査 102件は環境基準超す


 化学物質の垂れ流しやごみの埋め立てなどによる土壌汚染が、1975年度〜1996年度までに全国で782件に上がっていることが12日、環境庁の都道府県などに対するアンケートで分かった。鉛やヒ素などの汚染物質が検出されたのは375件で、うち102件は環境基準を超えていた。汚染件数について環境庁は「氷山の一角」とみている。
 調査は、1975年度以降の分を1987年度に、さらに1992年、1994年度にも行われた。汚染物質の検出は、前回より143件増えた。検出された汚染物質で多かったのは、鉛130件、ヒ素107件、水銀95件、カドミウム92件(いずれも延べ件数)など。
 原因別では、不適切な取り扱いによる漏洩が156件、施設の破損等による漏洩が75件、ごみの埋め立てが39件、排水による地下浸透が22件、ごみの不法投棄が12件。業種別では、金属製品製造業55件、洗濯・理容・浴場業50件、化学工業40件の順だった。
 応急対策として地下水の飲用禁止指導など、恒久的な対策としてビニールシートによる遮水、セメントによる固化などがある。しかし、対策が完了しているのは251件だった。

〜朝日新聞1998/03/13朝刊〜

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