「ダイオキシン測定で登録制廃止後も調査業務を独占」

厚生省が通知で自治体を「拘束」、測定料金は米の2倍超す



 厚生省の外郭団体、財団法人廃棄物研究財団(山村勝美理事長、東京都新宿区)がダイオキシンの測定業務をする会社の登録制度を設けていた問題で、登録制度がなくなった後も登録業者を中心に研究会が作られ、大半の自治体で調査業務をほぼ独占していることがわかった。厚生省が昨年2月に都道府県に出した通知によると、測定分析を依頼する会社の条件として、測定分析設備を持つこととしており、外国の分析業者と提携して低価格で参入しようとする企業が事実上締め出されている。その結果、日本の測定・分析料金は米国の2倍以上に達している。
 財団が1991年に始めた登録制度は、厚生省が都道府県あてに、廃棄物処理施設の調査に登録業者を使うよう求める通知を出したこともあり、登録業者が自治体のダイオキシン測定を独占していた。だが、登録業者から排除され た業者らの反発で1996年5月に廃止された。
 ところが、同月、登録業者の東レリサーチセンターなどを中心に24社による「廃棄物処理に係わるダイオキシン類測定分析技術研究会」が作られ、事務局が財団に置かれた。
 研究会の文書では、目的は測定技術を向上させるためとされ、大学の名誉教授らを顧問に迎えている。文書には厚生省環境整備課長も「ダイオキシン対策を進める上で大きな前進」とのあいさつ文を寄せている。
 これらの文書は、1996年暮れから研究会の名簿と一緒に、ダイオキシン調査を行う自治体に送られた。自治体側は「研究会の名簿は登録業者とほぼ同じなので、登録業者と同じ扱いにすべきだと考え、研究会のメンバーを指名競争入札の条件にしている」(西日本の政令指定市)、「研究会の業者は測定方法を統一しているので、そこから選んでいる」(別の政令指定市)という。
 このため、研究会に加盟していないある分析会社が米国の分析会社と提携し、自治体の発注を受けようとしたが、「米国の会社が分析するのではだめだ」と断られた。
 自治体が拒む根拠の一つは昨年2月に厚生省水道環境部環境整備課長名で出された通知にある。「測定分析にあたっては、測定分析の一定の技術レベルを有する。測定分析に必要な設備がある」などとされており、国内に設備がない業者を排除する理由とされている。
 調査・分析技術は欧米の方が優れ、分析費用は米国の8万〜13万円に対し、日本は30万〜35万円。米国と提携している業者は「20万円以下に設定しても、自治体からは研究会に加盟していないとか、国内に分析機がないとの理由で断られる。分析能力が上で価格も半分なのにどうして仕事が取れないのか」と話す。
 これに対して厚生省環境整備課は「通知は、国内に分析機があることを条件にしたわけではない。外国の業者と提携してもいい」としている。研究会の事務局となっている廃棄物研究財団の山村理事長は「研究会は業者が分析技術を高めるための会で、財団とは直接関係ない」と話している。
 ダイオキシン調査は、2年ほど前から需要が急激に増えた。登録制度がなくなった直後、分析価格は80万〜90万円から急落したが、昨年からは研究会メンバーを中心に、30万〜35万円でほぼ固定している。

〜朝日新聞1998/05/05朝刊〜

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