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Q18.豊島問題を島明の立場から考える (1998/06/06−久松さん投書)

 まず豊島は長年西に隣接する大蔵省直島精錬所の重金属の煤煙にされされてきた。
そのために高齢の住民の中には指の節くれ等の重金属による健康被害の特徴と酷似した症状を示す人が少なからずいる。

 そして産廃処分場周辺はその以前は直島同然の禿げ山であった。これは直島の禿げ山がその煤煙によるものである以上同じく煤煙の被害というべきである。

 さてその不毛のところへ産業廃棄物が持ち込まれたのである。教訓とすべきは日本全国の産業廃棄物が野積みされる特徴的なところというべきである。不毛の地故に土地代も安く、また周辺の人々もさして苦言を呈しなかった。むろん言った人もいたが、「まあええやないか」と言うことになるのである。

 むろん悪いのは県当局が暴力との対峙を避けたことである。

やがて公権力の介入によって問題化し、プロの住民運動家の指導によってようやく住民運動が盛り上がりを見せるのではあるが、国の調停受け入れという最悪の結果を招くのである。

 つまり住民にとって産廃の持ち込みの上に、産廃処理施設の建設同意という、平成に入ってからは各地で処理施設建設反対の運動が盛んになる中、かんがえられない結末をもたらされたのである。

 むろんプロの運動家が国の意向を住民に理解させるという指導がなければどうにもならなかったとも言えるのである。
 住民はあくまでも無条件撤去しか考えず、不法な野積みに対してはその指導監督責任の県にその対価を望んでいたのである。住民はあくまでも被害者なのである。その被害者にさらに処理施設からでるであろう煤煙被害をもたらすかもしれない。

 それ以上に危惧されるのは、一度高額で建設された処理施設が豊島の産廃処理だけで廃棄されるだろうか。
 さらには、そこで働くであろう人々の退職の問題も生まれる。
 なにより島経済を飲み込むであろう処理施設の経済支配を将来の島の人々が手放すことができるであろうか。

 豊島は、その地理的特徴からやがて産廃処理の島へとなることは明白である。
 そのような結果に至る調停を島民に飲ませた者たちの責任は歴史によって裁かれるべきである。


※豊島からの直接的なコメントありがとうございました。
新聞などで得る情報と違い、当事者からの投書は考えさせられる部分が多いです。


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